お子さんが高校に行けなくなると、どこに相談すればよいのか、病院に行くべきなのか、カウンセリングは必要なのかと、一度にたくさんの疑問が出てきます。調べるほど選択肢が多くて、かえって動けなくなることもあります。

先に結論を書くと、すべてを今日決める必要はありません。公的な相談窓口の多くは、病院に行くかどうかが決まっていない段階でも使えます。この記事では、相談窓口の種類を「どんなときにどこへ」の形で整理し、病院とカウンセリングについては、厚生労働省などの公的な説明で確認できた範囲だけを書きます。なお、この記事は公的情報をもとに編集部がまとめたもので、専門家の監修は受けていません。医療や心理の判断は、この記事ではしません。

穏やかな部屋で、親と制服姿の高校生が机を挟んでお茶を飲みながら話している様子のイラスト"“

相談先を整理するイメージ。学校、公的な相談窓口、医療機関の3つの方向のうち、どこへ相談するかを選べることを示した図"“

相談先は大きく3系統に分けると選びやすい

窓口の名前が多くて混乱するときは、次の3系統で考えると整理できます。

  1. 学校・教育の窓口: 在籍校、教育委員会、教育センターなど。学校生活、出席、単位、転学など、学校に関わることを聞く先です。
  2. 地域の公的な相談窓口: 保健所、精神保健福祉センター、児童相談所、子ども・若者総合相談センターなど。家庭の困りごとや、こころの健康、進路以外の相談も含めて聞ける先です。
  3. 医療機関・カウンセリング: 病院やクリニック、民間のカウンセリングなど。受診や利用は、1や2で相談したうえで考えることもできます。

どの系統から始めても構いません。厚生労働省の子ども向けメンタルヘルスサイトは、子どもの行動やこころの問題が気になるけれど医療機関を受診すべきかどうかわからないときは、近くにある公的な相談窓口を使ってみましょう、と案内しています。この記事でも、まず窓口、そのうえで必要なら医療機関、という順番で説明します。

どんなときにどこへ相談できるか

学校のことを聞きたいとき: 在籍校、スクールカウンセラー

出席や単位、休んでいる間の学習の扱いなど、学校の制度に関わることは、在籍校が一番正確に答えられます。担任や養護教諭、教育相談の担当に連絡できます。

在籍校にスクールカウンセラーがいる場合は、子どもだけでなく保護者も相談できます。文部科学省のよくある質問ページでは、スクールカウンセラーは、児童生徒へのカウンセリングや、教職員・保護者への助言・援助を行うと説明されています。通っている学校にスクールカウンセラーが配置されていないときは、近隣の学校のスクールカウンセラーに相談する方法があり、都道府県や市町村の教育委員会に問い合わせるとのことです。なお、このページは平成16年度(2004年度)ごろの古い資料に基づく部分があります。配置状況は学校や自治体で異なるため、まず学校に聞くのが確実です。

文部科学省の教育相談のページには、スクールカウンセラーとあわせて、スクールソーシャルワーカーの活用事業も載っています。スクールソーシャルワーカーの具体的な役割や、配置の有無、相談の入り口は自治体によって違うため、学校か教育委員会に聞いてみてください。

家庭や地域の相談先を探したいとき: 子ども・若者総合相談センター、教育センター

「どの窓口に行けばいいかさえわからない」というときは、地域の総合的な窓口が助けになります。こども家庭庁によると、子ども・若者育成支援推進法に基づき、地方公共団体は、子ども・若者の相談に応じて関係機関を紹介したり、情報提供や助言をしたりする拠点(子ども・若者総合相談センター)の体制を確保するよう努めるものとされています。「努めるもの」なので、すべての自治体に同じ形であるとは限りません。所在地一覧はこども家庭庁のページに掲載されています。

学校に関係した問題は、都道府県や市区町村の教育センターなどでも相談できると、厚生労働省のサイトに書かれています。名称や場所は自治体ごとに違うので、お住まいの教育委員会のウェブサイトで確認してください。

こころの健康が気になるとき: 精神保健福祉センター、保健所

厚生労働省のサイトによると、保健所や保健センターでは、思春期の問題や、家庭内暴力、ひきこもり、不登校などの相談を受け付けています。精神保健福祉センターは、こころの健康相談、思春期・青年期の相談などに応じていて、医療が必要かどうかを相談することもできるとされています。近隣の医療機関を紹介してもらうこともできます。

電話相談と来所相談があり、相談は無料で、秘密は守られると書かれています。実際の受付時間や予約の要否は窓口ごとに違います。病院に行くかどうか迷っている段階の、最初の相談先として使いやすい窓口です。

また、全国共通の「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)があります。厚生労働省のページでは、電話をかけた所在地の公的な相談機関につながり、対応する曜日や時間は都道府県・政令指定都市によって異なると説明されています。

18歳になっていない子どもの福祉の相談: 児童相談所

児童福祉法では、児童は満18歳に満たない者とされています。高校生の多くはこの年齢にあたります。児童相談所は、都道府県や指定都市等が設置する機関で、こども家庭庁は、虐待の相談以外にも、子どもの福祉に関するさまざまな相談を受け付けていると説明しています。

相談専用ダイヤルは 0120-189-783(無料)です。虐待かもしれないと思ったときは、全国共通の「189」にかけるとお近くの児童相談所につながります。匿名でも相談でき、通話料は無料です。

夜間や休日でもつながりたいとき: 電話・チャットの窓口

  • 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省): 0120-0-78310。いじめやその他の子供のSOS全般について、子供や保護者などが、夜間・休日を含めて24時間いつでも相談できる全国共通のダイヤルです。
  • よりそいホットライン: 0120-279-338(フリーダイヤル)。誰でも利用できる悩み相談窓口で、電話、チャット、SNSなどに対応していると公式サイトに書かれています。「死にたいほどつらい方」向けの案内もあります。

将来の進路や働くことを考え始めたとき: 地域若者サポートステーション

厚生労働省によると、地域若者サポートステーション(サポステ)は、働くことに悩みを抱えている15歳から49歳までの方の就労を支援する機関です。高校生の進路や居場所の考え方は、別の記事「高校生の不登校 親の対応と居場所の選択肢」でまとめています。

病院を考えるときに、公的な説明で確認できること

この記事では、症状から病気を判断したり、受診すべきかどうかの基準を示したりはしません。病院に関する公的な案内で確認できたことだけを書きます。

科名がわかりにくいときは、窓口や学校に聞ける

厚生労働省の「こころもメンテしよう」というサイトには、こころの不調について診察を受けたいときの医療機関の説明があります。それによると、こころを専門に診る病院には、精神科、精神神経科、心療内科など、さまざまな科名があり、わかりにくいかもしれないとのことです。

  • 精神科と精神神経科は、名前は違っても、実質的にやっていることは同じとされています。
  • 心療内科は、ストレスなど心理的な要因で体に症状が出る場合を主な対象としていますが、実際にはこころの不調を診ている医療機関もある、と説明されています。

科名や看板だけでは判断しにくいときは、電話で、どんなことを診てくれるのかを問い合わせるとよい、とも書かれています。

医療機関を探す方法

同じサイトには、探し方も書かれています。

  • スクールカウンセラーや学校医が、地域の精神科医を把握していることがある
  • 保健所や精神保健福祉センターの相談窓口で紹介してもらえる
  • かかりつけの医師がいれば、その医師を通じて適した病院を紹介してもらえる

つまり、自分で一から探す前に、学校や公的な窓口に相談できます。

受診の前に確認しておくとよいこと

同じ公的サイトは、医療機関によって、子どもや思春期の若者を得意とする医師がいる、専門スタッフの種類が違う、といった違いがあると説明しています。受診前に電話で確認できる項目として、専門や得意とする分野、治療プログラムの内容、専門スタッフの種類、診療の時間帯や曜日、予約制かどうか、が挙げられています。精神科は予約制の医療機関が多いので、事前に電話で確かめるとよい、とも書かれています。

受診にあたって、どんな点で困っているのか、何がつらいのかを、あらかじめ整理しておくとよいとされています。ただ、こころの状態を言葉で伝えるのは難しいものだ、とも説明されています。うまく言葉にできなくても構いません。

受診するかどうかは、ひとりで決めなくてよい

病院に行く・行かないを、親だけで決めようとして苦しくなる家庭は少なくありません。上で述べたとおり、精神保健福祉センターでは、医療が必要かどうかを相談できます。学校のスクールカウンセラーや、かかりつけ医に聞いてみる方法もあります。

費用や保険が使えるかどうかは、この記事を書くために確認した公的ページでは、一般的な形では確認できませんでした。医療機関ごとに異なるため、受診前の電話で聞くのが確実です。

カウンセリングについて、公的な説明で確認できること

「カウンセリング」の意味

厚生労働省の「こころもメンテしよう」では、カウンセリングは、悩みやつらい気持ちを聞いてもらい、気持ちや考え方を整理していくサポートだと説明されています。アドバイスや答えを出してもらうためのものではなく、自分自身の力で立ち直っていくきっかけをつくるもの、とも書かれています。同じページには、進め方や時間は人によってさまざまだとも書かれています。カウンセリングを受ければ解決する、という意味ではありません。

資格の違い

「カウンセラー」という名称だけでは、どんな資格を持つ人かはわかりません。ここでは、公的なページで説明を確認できた2つを挙げます。

  • 公認心理師: 厚生労働省のe-ヘルスネットによると、公認心理師法に基づく心理職の国家資格です。公認心理師法は2017年9月15日に施行され、文部科学省と厚生労働省の共管です。
  • 臨床心理士: 日本臨床心理士資格認定協会の説明では、同協会が実施する試験に合格して認定を受けることで取得できる資格です。協会は1988年に設立されています。

どちらも心理に関する資格ですが、国家資格か、民間の団体が認定する資格かという違いがあります。資格があることと、お子さんや家庭に合うかどうかは別の話です。気になる場合は、相談先に、資格や、どんな場面を想定した相談なのかを聞いてよいと思います。

学校内と学校外の違い

学校にいるスクールカウンセラーは、学校や教育委員会を通じて相談する形です。文部科学省のよくある質問ページでは、スクールカウンセラーを臨床心理士、精神科医、心理学系の大学の教員などと説明しています。一方、学校外の医療機関や民間機関のカウンセリングは、費用や予約の方法が機関ごとに異なります。この記事では、費用の目安は書けません。

民間のカウンセリングを選ぶときは、資格の有無、料金、時間、予約の方法を、申し込む前に聞いておくと安心です。

相談先を選ぶときの小さなルール

迷ったときの目安を、親の側の整理として挙げます。医療の判断基準ではありません。

  • 学校のことを知りたい: 在籍校、教育委員会
  • どこに相談すればよいかわからない: 子ども・若者総合相談センター、保健所、精神保健福祉センター
  • こころの健康が気になるが、受診するか迷う: 精神保健福祉センター、保健所、かかりつけ医、スクールカウンセラー
  • 家庭内の困りごとや、子どもの福祉の相談: 児童相談所
  • 夜や休日に、誰かに話を聞いてほしい: 24時間子供SOSダイヤル、よりそいホットライン
  • 進路や働き方を考え始めた: サポステなど(別記事で詳しく)

今日できる小さな一歩

  • お住まいの地域の「精神保健福祉センター」か「子ども・若者総合相談センター」を検索して、電話番号だけメモする。
  • 在籍校のスクールカウンセラーや教育相談の担当に、相談できるかを問い合わせる(まず連絡先を調べるだけでもかまいません)。
  • 親自身が気持ちを話せる先を1つ決める。上の窓口は、保護者の相談も受けています。

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※医師・公認心理師などの資格を持つ専門家ではありません。診断・治療などの医療的な助言は行いません。緊急のときは、記事内の「相談窓口」へご連絡ください。

相談窓口

番号・名称は、いずれも運営機関の公式ページで確認した内容です。受付時間や対応内容は変更されることがあるため、かける前に各公式ページをご確認ください。

  • 在籍校・教育委員会・教育センター: 電話番号は自治体や学校ごとに異なるため、各公式サイトで確認します。
  • 精神保健福祉センター・保健所: 所在地は、厚生労働省「身近にある地域の相談窓口」のページ(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/consultation/window/window_01.html)から探せます。
  • こころの健康相談統一ダイヤル: 0570-064-556。かけた所在地の公的な相談機関につながります。受付日時は都道府県・政令指定都市ごとに異なります(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/kokoro_dial.html)。
  • 子ども・若者総合相談センター: 所在地一覧はこども家庭庁のページ(https://www.cfa.go.jp/policies/youth/kyougikai-soudancenter)に掲載されています。
  • 児童相談所相談専用ダイヤル: 0120-189-783(無料)。全国の児童相談所は、こども家庭庁の一覧(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/jisou-ichiran)で確認できます。
  • 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」: 虐待かもと思ったときにつながります。匿名可、通話料無料です(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial)。
  • 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省): 0120-0-78310。24時間受付(年中無休)です。
  • よりそいホットライン(一般社団法人社会的包摂サポートセンター): 0120-279-338(フリーダイヤル)。電話のほか、チャットやSNSでの相談にも対応しています。受付時間は公式サイト(https://www.since2011.net/yorisoi/)で確認してください。
  • 地域若者サポートステーション: 所在地は厚生労働省のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/saposute.html)から確認できます。

事件や事故など緊急の対応が必要なときは110番、消防車や救急車が必要なときは119番です(警察庁、消防庁の公式ページによる)。緊急の対応を必要としない相談は、上の窓口を使えます。夜間や休日にただ話を聞いてほしいときは、よりそいホットラインや24時間子供SOSダイヤルを使えます。

まとめ

高校生の不登校で、相談窓口・病院・カウンセリングのどれを選ぶかに、決まった順番はありません。学校の制度は学校へ、家庭や地域のことは子ども・若者総合相談センターや保健所へ、こころの健康で迷うときは精神保健福祉センターへ、というように、聞きたいことで窓口を選べます。病院に行くかどうかも、公的な窓口で一緒に考えられます。お子さんが安心して過ごせることを優先して、動ける日に、ひとつだけ連絡してみてください。

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出典

  • 厚生労働省「こころもメンテしよう〜ご家族・教職員の皆さんへ〜」こころの相談窓口、こころを専門に診る病院について、カウンセリングについて(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/consultation/window/index.html)
  • 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/kokoro_dial.html)
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「公認心理師 / 臨床心理士 / 臨床心理技術者」(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-067.html)
  • 厚生労働省「地域若者サポートステーション」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/saposute.html)
  • 文部科学省「教育相談体制の充実について」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121505/005.htm)
  • 文部科学省「公認心理師」(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kouninshinrishi/1411569.htm)
  • こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial)
  • こども家庭庁「子ども・若者支援地域協議会、子ども・若者総合相談センター」(https://www.cfa.go.jp/policies/youth/kyougikai-soudancenter)
  • 児童福祉法(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164)
  • 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」(http://fjcbcp.or.jp/rinshou/about-2/)
  • 一般社団法人社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」(https://www.since2011.net/yorisoi/)
  • 警察庁「令和6年版 警察白書」第2項 事件・事故への即応(https://www.npa.go.jp/hakusyo/r06/honbun/html/aa2232000.html)
  • 総務省消防庁「119番緊急通報」(https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/kyukyumusen_kinkyutuhou/119.html)

いずれも2026年10月2日に確認しました。この記事は公的情報をもとに編集部が作成したもので、専門家の監修は受けていません。