「学校の先生には話しづらい」「どこに連絡すればいいのか分からない」。そう感じて、夜に一人で検索している方は少なくないと思います。
結論から言うと、学校以外にも相談できる場所は複数あります。教育委員会が運営する教育支援センター、子どもの福祉全般を扱う児童相談所、ひきこもりに特化した地域支援センター、電話で話を聞いてくれる全国共通の窓口などです。この記事では、それぞれがどんな場所なのかを、公的な情報をもとに整理します。全部に連絡する必要はありません。いちばん話しやすそうな1か所を選べば十分です。
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相談する前に知っておきたいこと
最初に、不登校の現状について、文部科学省の調査結果を確認しておきます。
令和6年度の調査では、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人(小学校137,704人、中学校216,266人)でした。児童生徒1,000人当たりでは38.6人です(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」)。お子さんだけ、ご家庭だけに起きていることではありません。
文部科学省は、通知の中で次の趣旨を示しています。不登校は取り巻く環境によってはどの児童生徒にも起こり得るものであり、不登校というだけで問題行動と受け取られないよう配慮が必要であること。支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指すこと。不登校の時期が休養や自分を見つめ直す意味を持つことがある、という点も同じ通知に書かれています(令和6年度調査結果を踏まえた対応の通知)。
つまり、相談の目的は「学校に行かせる方法を聞くこと」に限られません。親御さんが状況を整理することも、お子さんが安心して過ごせる場所を探すことも、立派な相談です。
同じ調査では、学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けていない不登校の児童生徒は135,724人で、全体の38.3%でした。一方で、そのうち120,759人(89.0%)は担任等から週1回程度以上の継続的な相談・指導等を受けていた、とも記載されています。相談先が学校だけになっているご家庭も多いということです。学校以外にも窓口があることを知っておくと、選べる幅が広がります。
教育支援センター(学校外の居場所と相談)
教育支援センターは、文部科学省の資料(COCOLOプラン)で次のように説明されています。各地域の教育委員会が開設していて、児童生徒一人ひとりに合わせた個別学習や相談などを行ってくれる場所で、市の施設など公の建物の中にあることが多く、利用料は基本的に無料です。
ただし、どの市町村にもあるとは限りません。文部科学省の通知でも、教育支援センターの設置されていない市区町村については、都道府県教育委員会が支援方策の検討や調整を行うことが求められています。お住まいの地域にあるかどうかは、市区町村の教育委員会に問い合わせて確認してください。
同じ通知では、教育支援センターに、通ってくる子どもの学びの場としての役割だけでなく、家から出ることができない子どもへのアウトリーチ支援(職員が出向く支援)や、保護者への相談支援の機能が期待されると述べられています。お子さんがまだ外に出られない状態でも、まず保護者の方が相談に行くことは可能です。
問い合わせるときは、次のような点を聞いておくと、判断の材料になります。
- 利用できる対象(学年、在籍校との関係)
- 通う頻度や時間帯、見学ができるか
- 保護者だけの相談を受け付けているか
- 利用料や交通費の扱い
なお、学校の中にも「校内教育支援センター」と呼ばれる部屋を設ける取組があります。COCOLOプランでは、学校には行けるけれど自分のクラスには入れないときや、少し気持ちを落ち着かせたいときに使える、空き教室等を活用した部屋と説明されています。こちらは在籍校に尋ねる窓口です。
学校・教育委員会に相談するとき
学校と教育委員会は、最初の連絡先として分かりやすい窓口です。
文部科学省の通知によると、都道府県・指定都市の教育委員会が行った教育相談は266,407件、市区町村教育委員会が行ったものは932,426件で、相談内容は不登校に関するものが最も多いとされています。教育委員会が不登校の相談を日常的に受けていることが分かります。
COCOLOプランの資料には、スクールソーシャルワーカーについての説明もあります。児童生徒やその保護者に福祉・医療的な支援が必要な場合に、福祉の窓口につないだり手続きの補助をしたりする福祉の専門家で、教育委員会から学校などに派遣または配置される方です。担任の先生に話しにくいときは、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつないでもらえないか、学校に尋ねる方法があります。
学校に連絡するとき、あらかじめ決めておくとよいことがあります。
- 今のお子さんの様子を、事実だけ短く伝える(「朝、起きられない日が続いている」など)
- 登校の予定を求められても、すぐ答えなくてよいと決めておく
- 連絡の頻度や方法(電話、連絡帳、メールなど)を希望として伝える
学校との関係がつらく感じるときは、学校を通さず教育委員会に直接連絡することもできます。
児童相談所と子ども向けの電話窓口
こども家庭庁の案内では、児童相談所は都道府県、指定都市等が設置する機関で、こどもの福祉に関する様々な相談を受け付ける専門の相談機関です。虐待の相談以外にも相談できると明記されています。
相談専用のダイヤルは「0120-189-783」(いちはやくおなやみを)で、令和3年7月から無料化されています。全国の児童相談所の所在地と電話番号は、こども家庭庁の「児童相談所一覧」(令和8年4月1日現在で243か所)で確認できます。
文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)は、いじめやその他の子供のSOS全般について、子供や保護者などが夜間・休日を含めて24時間いつでも相談できる全国共通のダイヤルです。都道府県及び指定都市教育委員会などが運営しています。
お子さんが家庭で暴力を受けている、あるいは親御さん自身が追い詰められて子どもに手をあげてしまいそうだ、といった状況のときは、迷わず児童相談所の窓口に連絡してください。「虐待かも」と思ったときにかける「189」は、近くの児童相談所につながり、匿名で相談でき、通話料は無料です。
ひきこもり地域支援センターと市町村の窓口
お子さんが成長して、学齢を過ぎた場合や、長く家にいる状態が続いている場合の窓口が、ひきこもり地域支援センターです。
厚生労働省によると、ひきこもりに特化した専門的な相談窓口として、全ての都道府県と指定都市(67自治体)に「ひきこもり地域支援センター」が設置されています(平成30年4月まで)。令和4年度からは、設置主体が市町村にも広がり、令和7年度は47自治体です。センターでは、社会福祉士、精神保健福祉士、保健師、公認心理師、臨床心理士等の資格を持つひきこもり支援コーディネーターが、本人や家族の相談に応じ、適切な支援につなぎます。
市町村では、これとは別に「ひきこもり支援ステーション事業」(令和7年度129自治体)や「ひきこもりサポート事業」(令和7年度164自治体)が行われています。相談支援、居場所づくり、当事者会・家族会の開催などが含まれます。ただし、自治体によって実施の有無は異なります。
センターの住所・連絡先は、厚生労働省の「ひきこもり支援に関する取組」のページから、PDFの一覧で確認できます。厚生労働省のポータルサイト「ひきこもりVOICE STATION」には、全国の相談窓口も掲載されています。
ひきこもりの相談は、本人が相談に来られなくても、家族だけで利用できます。親御さんが先に相談して、情報を集めておく使い方もあります。
状況別の相談先の選び方
どこから連絡するか迷う場合の目安を、表にまとめます。あくまで目安なので、合わないと思ったら別の窓口に切り替えて構いません。
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| 今の状況 | 最初に考えたい窓口 |
|---|---|
| 学校との連絡や、学校での受け入れ方を相談したい | 在籍校、市区町村の教育委員会 |
| 学校の外で、安心して過ごせる場所や学習の場を探したい | 教育支援センター(教育委員会に確認) |
| 家庭の中の困りごと全般を、専門機関に聞いてほしい | 児童相談所(0120-189-783) |
| 夜間や休日に、すぐ誰かに話したい | 24時間子供SOSダイヤル(よりそいホットラインの受付時間は公式サイトで確認) |
| 長く家にいる状態が続き、学齢を過ぎている | ひきこもり地域支援センター、市町村の窓口 |
体調や気持ちの面で心配なことがあるときは、かかりつけの医療機関や、お住まいの地域の保健・医療の窓口にも相談してください。この記事では診断や治療には触れません。
今日できる小さな一歩
1つだけで構いません。
- 「お住まいの市区町村名 教育支援センター」で検索し、教育委員会のページを開く。連絡先をメモするだけで十分です。
- 夜に不安が強いときに備えて、24時間子供SOSダイヤルの番号を、スマホの連絡先に登録しておく。よりそいホットラインも、受付時間を公式サイトで確認したうえで登録しておくと安心です。かけるのは後でも構いません。
- お子さんの今日の様子を、評価を入れずに一行だけ書き留める。相談するときの材料になります。
ひとりで抱え込まず、話してみませんか
- 1回30分・無料
- オンライン・電話
- 入力は2分ほど
不登校支援の専門カウンセラーが、お話を伺います。1回30分まで無料です。
※医師・公認心理師などの資格を持つ専門家ではありません。診断・治療などの医療的な助言は行いません。緊急のときは、記事内の「相談窓口」へご連絡ください。
相談窓口
番号・名称は、いずれも運営機関の公式ページで確認した内容です。受付時間や対応内容は変更されることがあるため、かける前に各公式ページをご確認ください。
- 教育支援センター・教育委員会: お住まいの市区町村の教育委員会に問い合わせてください。電話番号は自治体ごとに異なるため、市区町村の公式サイトで確認します。
- 児童相談所相談専用ダイヤル: 0120-189-783。全国の児童相談所は、こども家庭庁の一覧(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/jisou-ichiran)で確認できます。
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」: 虐待かもと思ったとき、すぐ近くの児童相談所につながります。匿名可、通話料無料です(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial)。
- 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省): 0120-0-78310。24時間受付(年中無休)です。
- 子どもの人権110番(法務省): 0120-007-110。平日8:30~17:15、土日祝日・年末年始は休みです。
- ひきこもり地域支援センター: 各都道府県・指定都市に設置。住所・連絡先は厚生労働省のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html)から確認できます。
- よりそいホットライン(一般社団法人社会的包摂サポートセンター): 0120-279-338(フリーダイヤル)。電話のほか、チャットやSNSでの相談にも対応しています。「死にたいほどつらい方」向けの案内もあります。受付時間は公式サイト(https://www.since2011.net/yorisoi/)で確認してください。
お子さんや親御さん自身が「死にたい」と口にしている、自分や他人を傷つけるおそれがある、命や安全に関わる状況だと感じる場合は、上の窓口を待たずに、まず110番または119番に連絡してください。
まとめ
学校以外の相談先は、教育支援センター、児童相談所、ひきこもり地域支援センター、電話の窓口など、役割の異なるものが複数あります。目的は学校に戻る方法を探すことに限られず、お子さんが安心して過ごせる場所と、親御さんが一人で抱えない先を見つけることです。まずは今日、連絡先を1つ調べるところから始めてみてください。
ひとりで抱え込まず、話してみませんか
- 1回30分・無料
- オンライン・電話
- 入力は2分ほど
不登校支援の専門カウンセラーが、お話を伺います。1回30分まで無料です。
※医師・公認心理師などの資格を持つ専門家ではありません。診断・治療などの医療的な助言は行いません。緊急のときは、記事内の「相談窓口」へご連絡ください。
出典
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_jidou01-000045738_3.pdf)
- 文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm)
- 文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」令和5年3月(https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-cc.pdf)
- こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial)
- こども家庭庁「児童相談所一覧」(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/jisou-ichiran)
- 厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html)
- 一般社団法人社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」(https://www.since2011.net/yorisoi/)
いずれも2026年10月2日に確認しました。この記事は公的情報をもとに編集部が作成したもので、専門家の監修は受けていません。



