「うちの県は、不登校が多いのだろうか、少ないのだろうか」。そう気になって検索した方もいると思います。数字を見て不安になったり、反対に「自分のところだけではなかった」とほっとしたりする方もいるかもしれません。

先に結論を書きます。文部科学省の調査には、都道府県別の不登校児童生徒数と、児童生徒1,000人当たりの数があります。この記事では、その統計表の数字を、公表されたまま全47都道府県分そのままお示しします。ただし、これは「学校が把握し、集計した数」です。数字の大小で、地域の良し悪しや、お子さんの状況を決めることはできません。この記事は順位をつけず、表の見方と、お住まいの地域の相談先の探し方を中心にまとめます。親御さんの関わり方を評価する話ではありません。

学校が把握した事実が調査の回答・集計を通して地域ごとの数字になることと、その数字はお子さん一人ひとりの様子や家庭の状況を表すものではないことを示した図"“

この記事で使うデータと、年度について

使うのは、文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の令和6年度の結果です。令和6年度調査の結果は、文部科学省の調査ページに「令和8年1月16日更新」として掲載されている資料(統計表を含む)を使いました。2026年10月2日の時点で、そのページには令和7年度の調査結果は掲載されていません。そのため、この記事は令和6年度の数字で書いています。令和7年度の結果が公表されたら、この記事の表と本文を更新する予定です。

調査の対象は、国公私立の小・中学校です。不登校の数え方は、令和5年度調査の資料に次のように書かれています。長期欠席者は「年度間に30日以上登校しなかった児童生徒」で、その理由の区分の一つが「不登校」です。不登校は、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、病気や経済的理由によるものを除く)と定義されています。令和6年度の調査も、この長期欠席の理由区分のうち「不登校」の人数を集計したものです(令和6年度の定義の注記までは、今回は原文で確認できていません)。

全国の値は、小・中学校を合わせて353,970人(小学校137,704人、中学校216,266人)で、児童生徒1,000人当たり38.6人です。年度ごとの人数や割合の変化は、この記事では扱いません。

都道府県別の表(令和6年度・国公私立)

次の表は、文部科学省の統計表「(4-15)(都道府県別・指定都市別)不登校児童生徒数」の「①都道府県別(国公私立)」にある数字を、1つずつそのまま写したものです。並び順も、文部科学省の表と同じ(北から南へ、都道府県のコード順)で、数字の大小では並べ替えていません。表のもとになる統計表の注に「都道府県別には、指定都市を含む」とあります。つまり、政令指定都市の児童生徒も、その都道府県の数に入っています。

都道府県 小学校 人数(人) 小学校 1,000人当たり(人) 中学校 人数(人) 中学校 1,000人当たり(人) 小・中合計 人数(人) 小・中合計 1,000人当たり(人)
北海道 4,881 22.4 9,371 78.6 14,252 42.2
青森県 981 19.2 1,888 67.7 2,869 36.3
岩手県 931 17.9 1,754 61.3 2,685 33.3
宮城県 3,002 27.9 4,723 82.8 7,725 47.0
秋田県 699 19.8 1,328 65.5 2,027 36.4
山形県 849 18.3 1,494 58.3 2,343 32.5
福島県 1,496 18.0 2,869 65.7 4,365 34.5
茨城県 2,904 21.5 5,031 68.2 7,935 38.0
栃木県 2,192 24.2 3,840 78.2 6,032 43.2
群馬県 1,791 20.3 2,997 61.5 4,788 34.9
埼玉県 6,360 18.1 10,996 59.9 17,356 32.4
千葉県 6,143 20.7 8,740 56.4 14,883 32.9
東京都 13,548 21.6 20,283 63.3 33,831 35.7
神奈川県 10,275 23.6 14,956 66.6 25,231 38.2
新潟県 2,119 21.9 3,710 69.7 5,829 38.8
富山県 1,106 24.3 1,518 61.7 2,624 37.4
石川県 1,237 22.9 1,973 68.3 3,210 38.7
福井県 586 15.8 1,075 52.6 1,661 28.9
山梨県 844 23.0 1,493 75.1 2,337 41.2
長野県 3,051 31.5 4,197 80.0 7,248 48.6
岐阜県 2,326 24.3 3,571 67.7 5,897 39.8
静岡県 5,133 30.0 6,985 73.8 12,118 45.6
愛知県 10,028 25.7 14,899 72.0 24,927 41.8
三重県 1,954 23.2 2,937 63.3 4,891 37.5
滋賀県 1,702 22.2 2,603 64.0 4,305 36.7
京都府 2,593 22.2 3,897 60.7 6,490 35.8
大阪府 8,718 21.3 15,031 69.3 23,749 37.9
兵庫県 5,874 21.9 9,994 70.7 15,868 38.8
奈良県 1,417 22.6 2,453 70.4 3,870 39.7
和歌山県 967 23.2 1,544 67.6 2,511 38.9
鳥取県 653 23.9 1,111 77.2 1,764 42.3
島根県 1,056 32.1 1,389 80.7 2,445 48.8
岡山県 1,807 19.4 2,434 48.8 4,241 29.6
広島県 3,559 25.4 5,179 68.5 8,738 40.5
山口県 1,412 23.4 2,161 65.3 3,573 38.3
徳島県 573 17.7 1,241 71.7 1,814 36.5
香川県 858 18.5 1,395 56.3 2,253 31.6
愛媛県 1,578 25.6 2,372 69.0 3,950 41.1
高知県 604 20.2 991 62.4 1,595 34.9
福岡県 8,008 29.3 11,594 81.7 19,602 47.2
佐賀県 858 19.7 1,370 57.7 2,228 33.2
長崎県 1,420 21.8 2,378 68.7 3,798 38.1
熊本県 2,133 22.9 3,648 74.7 5,781 40.7
大分県 1,133 20.9 1,942 66.6 3,075 36.9
宮崎県 1,054 18.6 1,788 58.3 2,842 32.6
鹿児島県 1,768 20.8 3,214 70.4 4,982 38.2
沖縄県 3,523 35.4 3,909 77.5 7,432 49.5
全国 137,704 23.0 216,266 67.9 353,970 38.6

(文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」の統計表(4-15)①。「1,000人当たり」は、表では「1,000人当たりの不登校児童生徒数」と表記されています。)

編集部で、表の写しを確認しました。47都道府県の人数を足すと、小学校137,704人、中学校216,266人、合計353,970人となり、全国の欄と一致します。また、各都道府県で「小学校+中学校=合計」になっていることも確認しました。1,000人当たりの合計の列の数字は、同じ調査の「不登校抜粋版」にあるグラフの数字とも一致しました。

数字の幅は、どのくらいあるのか

表の数字には、都道府県によって幅があります。編集部が表の数字から確かめたところ、小・中学校合計の1,000人当たりの値は、28.9から49.5の間に収まっています。小学校だけでは15.8から35.4、中学校だけでは48.8から82.8の間です。この幅は、表の数字を編集部が見直して確かめたものです。

ここで大切なのは、この幅の理由が、確認できた資料には書かれていないことです。今回確認した国の資料には、都道府県による差の理由を示した記載はありませんでした。そのため、この記事では理由を書きません。「この県は支援が手厚いから少ない」「この県は学校の対応が弱いから多い」といった読み方は、資料から言えることではありません。

もう一つ、先ほどの幅を、お子さんの個別の状況に当てはめないでください。1,000人当たりの数は、地域全体を平均した値です。同じ都道府県の中でも、市町村や学校によって状況は違います。この表からは、お住まいの市区町村の数字や、通っている学校の数字は分かりません。

「学校が把握し、集計した数」として読む

不登校の人数は、お子さんの状態をそのまま測ったものではなく、学校がお子さんの欠席の状況を把握して、調査に回答した結果の数です。調査票に回答するのは学校や教育委員会です。令和6年度の調査結果を受けた通知には、令和6年3月に公表された「不登校の要因分析に関する調査研究」で、不登校のきっかけや要因について、児童生徒やその保護者の回答と、教師の回答の間に認識の差が確認された、と書かれています。

この調査研究の話は、都道府県の数字の差の説明ではありません。ただ、学校の記録にあらわれる情報が、お子さんや保護者の実感と一致するとは限らないことを示す材料です。数字が大きくても小さくても、そのことで「うちの子の状況」が決まるわけではありません。

また、通知には、不登校は取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないような配慮が必要だと書かれています。数字が大きい県に住んでいるから、あるいは小さい県に住んでいるから、親御さんの関わり方が問われるということはありません。

国の通知が、地域ごとの状況について求めていること

令和6年度の調査結果を受けた通知では、学校の設置者(教育委員会など)に求める役割として、「地域や設置する学校毎の不登校等の状況を分析し、必要な支援の実施や地域連携・学校間連携等を推進すること」が挙げられています。つまり、地域ごとの数字は、本来は教育委員会などが、支援をどう行うかを考えるために使うものです。親御さんが、自分の地域の数字を見て不安を感じる必要はありません。

自分の地域の状況をもう少し知りたいときは、都道府県や市区町村の教育委員会が、独自に資料を公表している場合があります。ただ、今回、都道府県ごとの公表資料のページを全部確認したわけではありません。公表の有無や内容は地域によって違うと考えられるため、お住まいの教育委員会のホームページや窓口で確かめてください。

相談先を見つけるための3つのステップ。文部科学省の統計表でお住まいの都道府県の行を見る、文部科学省の地元の相談窓口ページで都道府県を選ぶ、市区町村の教育委員会や学校に相談先を聞く、という順番を示した図"“

お住まいの地域の相談先を探す

数字を見たあとにできることとして、地域の相談先を探す方法があります。文部科学省は、「不登校に関する地元の相談窓口」というページを公開しています。このページには、「不登校児童生徒への支援に関して、各教育委員会において作成した地域の相談支援機関等に関する情報をまとめました」と書かれていて、都道府県を選ぶと、各教育委員会が作成したページに移ります。

通知にも、文部科学省が、各教育委員会が作成した地域の相談支援機関等の情報を、文部科学省のホームページで一括して発信していることが書かれています。通知には、まだ登録していない自治体には今後も登録をお願いする、とも書かれています。そのため、お住まいの地域の情報が見つからない場合もあります。その場合は、市区町村の教育委員会に電話や窓口で尋ねてください。

相談先の種類や、何ができるかは、地域によって違います。教育支援センター(学校以外の場で過ごしたり学んだりする場として、教育委員会が設けているもの)や、フリースクールなどへの支援の有無も、自治体ごとです。このページでは、特定の自治体や施設をおすすめすることはしません。どの相談先にも、「まず話を聞いてもらう」ことから始められます。

今日できる小さな一歩

1つだけで構いません。

  1. 表で、お住まいの都道府県の行を確かめる。そのうえで、その数字は「学校が把握し、集計した地域全体の数」で、お子さんの状況ではないと、心の中でひと呼吸おく。
  2. 文部科学省の「不登校に関する地元の相談窓口」ページを開き、お住まいの都道府県のリンクを、ブックマークしておく。電話をかけるのは、気持ちが整ってからで構いません。
  3. 「地元の相談先を調べた」と、家族か信頼できる人に1つだけ伝える。ひとりで抱え込まないための、小さな一歩です。

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相談窓口

番号・名称は、いずれも運営機関の公式ページで確認した内容です。受付時間や対応内容は変更されることがあるため、かける前に各公式ページをご確認ください。

  • 学校・教育委員会・教育支援センター: お住まいの市区町村の教育委員会に問い合わせてください。電話番号は自治体ごとに異なるため、市区町村の公式サイトで確認します。文部科学省の「不登校に関する地元の相談窓口」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112214.html)から、都道府県ごとの案内に進めます。
  • 児童相談所相談専用ダイヤル: 0120-189-783。全国の児童相談所は、こども家庭庁の一覧(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/jisou-ichiran)で確認できます。
  • 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」: 虐待かもと思ったとき、すぐ近くの児童相談所につながります。匿名可、通話料無料です(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial)。
  • 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省): 0120-0-78310。24時間受付(年中無休)です。
  • ひきこもり地域支援センター: 各都道府県・指定都市に設置。住所・連絡先は厚生労働省のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html)から確認できます。
  • よりそいホットライン(一般社団法人社会的包摂サポートセンター): 0120-279-338(フリーダイヤル)。電話のほか、チャットやSNSでの相談にも対応しています。受付時間は公式サイト(https://www.since2011.net/yorisoi/)で確認してください。

お子さんや親御さん自身が「死にたい」と口にしている、自分や他人を傷つけるおそれがある、命や安全に関わる状況だと感じる場合は、上の窓口を待たずに、まず110番または119番に連絡してください。

まとめ

文部科学省の令和6年度調査には、都道府県別の不登校児童生徒数と、1,000人当たりの数があります。数字には地域による幅がありますが、国の資料には、その理由は示されていません。この数は、学校が把握して集計したものです。地域の数字だけで、お子さんの状況や、地域の良し悪し、親御さんの関わり方を判断することはできません。数字より、お子さんが安心して過ごせることと、頼れる相談先を持つことのほうが、今日の暮らしには近いところにあります。令和7年度の調査結果が公表されたら、この記事を更新します。

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出典

  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(統計表(4-15)①都道府県別、令和8年1月16日更新)(https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_jidou02-100002753_1_3.pdf)
  • 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(調査結果の掲載ページ)(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm)
  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_jidou01-000045738_3.pdf)
  • 文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm)
  • 文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf)
  • 文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(注・用語の定義)(https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_1_2.pdf)
  • 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112214.html)
  • こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial)
  • こども家庭庁「児童相談所一覧」(https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/jisou-ichiran)
  • 厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html)
  • 一般社団法人社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」(https://www.since2011.net/yorisoi/)

いずれも2026年10月2日に確認しました。この記事は公的情報をもとに編集部が作成したもので、専門家の監修は受けていません。