「うちの近くにも、不登校特例校はあるのだろうか」。そう思って検索したものの、一覧を開いてみると行も列も多く、どこを見ればよいのか迷った方も多いと思います。
この記事は、校名を並べたリストではありません。文部科学省が公開している公式の一覧を、どこから、どう読めばよいかを案内します。一覧は随時更新されるため、校名や所在地はこの記事に転記していません。いちばん新しい情報は、公式ページで確認してください。制度そのものについては、別の記事「不登校特例校(学びの多様化学校)とは何か」で説明しています。
公式の一覧はどこにあるか
一覧は、文部科学省の次のページにあります。
- 学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm
このページは、制度の案内ページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387008.htm)の「(1)概要等」からたどれます。同じ案内ページには、手引き、法令・通知、設置を促す事業の資料も載っています。
「不登校特例校」は旧称で、現在は「学びの多様化学校」という名称が使われています。公式ページの題名は「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」と併記されています。どちらで検索しても、同じ一覧に行き着きます。
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一覧の列の読み方
編集部が2026年10月2日に確認した時点で、一覧の表は次の7つの列でできていました。
- 形態(本校型、分教室型、分校型、コース指定型のいずれか)
- No.
- 学校名
- 指定年
- 学校の管理機関
- 設置場所
- 不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程の主な内容
探すときに見るのは、おもに「設置場所」と「学校の管理機関」です。設置場所には、都道府県名から始まる市区町村名が書かれています。管理機関には、市区町村の教育委員会や、学校法人の名前が入っています。つまり、管理機関の欄を見れば、公立(教育委員会)か学校法人立かが分かります。
「指定年」は、一覧にある年の表記(平成16年、令和6年など)です。
「特別の教育課程の主な内容」の欄は、学校ごとに何を工夫しているかの要約です。新しい教科を設けている学校、授業の1単位時間を短くしている学校、学び直しの科目を置いている学校など、内容はさまざまです。この欄の文章だけで、お子さんに合うかどうかは分かりません。気になる学校があれば、学校の説明を直接確認してください。
形態の違い:本校型・分教室型・分校型・コース指定型
一覧の「形態」の欄は、学校の成り立ち方を示しています。文部科学省の手引き(令和6年2月改定)では、次のように説明されています。
- 学校型(一覧では「本校型」と表記): 廃校など学校設備をそのまま活用する形態。
- 分教室型: 一般の小・中学校を母体となる本校としてもち、一部の学級のみを学びの多様化学校として指定する形態。母体となる本校が、学びの多様化学校として指定を受ける必要はないとされています。
- 分校型: 本校と分離して設けられる形態。手引きでは、令和6年度開校予定の学校から指定する予定とされています。
- コース指定型: 高等学校などで、一部のコースを学びの多様化学校として指定する形態。
形態が違うと、見るべき点も変わります。たとえば分教室型やコース指定型は、同じ学校の中の一部の学級やコースだけが対象です。一覧の学校名の欄に、コース指定型では「【コース名】」と続けてコースの名前が書かれているのは、このためです。学校全体が対象かどうかは、形態の欄で読み分けられます。
どの形態がよい、という優劣はありません。通いやすさや、お子さんの安心につながるかどうかは、お子さん次第です。
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一覧に載っている件数(2026年10月2日編集部確認)
一覧の規模を知っておくと、近くに学校がなくても落ち込まずに済みます。次の件数は、編集部が2026年10月2日に、上記の文部科学省の設置者一覧(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm)の表を数えた結果です。
この件数は「一覧の行数」であって、「校数」ではありません。 1つの行に、小学校と中学校がまとめて書かれている場合があります。1つの行に複数の分教室が含まれる場合もあります。また、文部科学省が公表した校数の数字でもありません。一覧の更新で、数字は変わります。
- 一覧の行数: 84行(No.は1から84まで)
- 形態別の行数: 本校型32行、分教室型29行、分校型12行、コース指定型11行
行数は地域によって偏りがあり、設置場所が一覧に出てこない都道府県もあります。通える範囲に学校がない場合もある、ということです。
国は、令和5年6月に閣議決定した教育振興基本計画で、各都道府県・指定都市に1校以上の設置を進めること、将来的には居住地によらずアクセスできるよう、分教室型も含めて全国で300校の設置を目指すことを掲げています(手引きによる)。設置は、これから増えていく途中にあります。手引きにある令和5年4月時点の校数は、数え方も時点も違うため、上の行数と比べて「増えた数」と読むことはできません。
自分の地域の探し方
一覧を、次の順で見ると探しやすくなります。
- 一覧のページを開き、ブラウザの検索機能(「ページ内検索」)で、お住まいの都道府県名や市区町村名を入れます。「設置場所」の欄に出てきた行が候補です。
- 見つかった行の「形態」「学校の管理機関」「特別の教育課程の主な内容」を読みます。
- 通えそうな範囲に行がなければ、隣の市区町村や都道府県の行も見ます。校区が広域になる場合もあるため、手引きでは、児童生徒の安全を最優先に考えた通学方法や通学路を検討するよう書かれています。通学が遠方になる場合もある、ということです。
- 一覧にない場合でも、「ない」と分かったことが情報です。教育支援センターやフリースクール、いまの学校での配慮など、別の選択肢を見ていけます。
公式の一覧に載っているのは、指定を受けた学校です。設置を検討している自治体があるかどうかは、一覧からは分かりません。気になるときは、お住まいの都道府県教育委員会や市区町村教育委員会に問い合わせてみてください。
都道府県や市区町村の教育委員会への問い合わせ先は、各自治体の公式サイトに載っています。電話番号は自治体ごとに違うため、この記事には書いていません。問い合わせるときは、たとえば次のように伝えると、担当部署につないでもらいやすくなります。
- 「学びの多様化学校(不登校特例校)について知りたい」
- 「うちの地域から通える学校はあるか」
- 「いまの学校に在籍したまま相談できるか」
地域ごとの情報は、別の記事で扱う予定です。この記事では、全国の一覧の見方に絞っています。
問い合わせるときに確認したい点
学校の入学条件や費用は、国の資料で一律には決まっていません。学校や自治体ごとに違います。手引きでも、入学を希望するお子さんが対象になるかどうかは、当該学校またはその管理機関が個別に判断する、とされています。次の点を、学校や教育委員会に直接たずねてみてください。
- 対象の学年: 小学校、中学校、高等学校など学校ごとに違います。一覧の「特別の教育課程の主な内容」の欄に、対象の学年が書かれている学校もあります。
- 入学・転入の要件: 不登校の状態が必要か、断続的な欠席でも相談できるか。手引きには、不登校状態の目安として年間30日以上の欠席という定義が一つの参考になりうるものの、判断は学校またはその管理機関が行う、と書かれています。
- 通学区域・住所の条件: その市区町村に住んでいることが条件の学校があります。手引きに載る事例の中には、市内に住所があることを入学の条件にしている学校があります。条件の有無は学校ごとに違います。
- 費用: 公立の学校と、学校法人立の学校とでは違います。手引きには、学校法人立の学校の授業料等(入学金や設備費などを含む授業料以外の納付金もあわせて)を調べた結果が載っていて、学校ごとに額に開きがあります。通学の交通費や、寮のある学校(一覧の内容欄に寮の記載がある学校があります)では寮の費用についても確認が要ります。
- 見学・体験: 見学や体験入学ができるか、申し込み方法、時期。手引きには、入学前に体験入学の期間を設ける、在籍校の担任との情報共有や保護者・本人との個別面談を行う、といった取り組みの例があります。
- いまの学校との手続き: 転校や在籍の扱いが、どのように進むのか。
見学に行って、お子さんが「ここは違う」と感じたら、別の選択肢を探して構いません。
「通えば解決する」ではなく、選択肢のひとつとして
学びの多様化学校は、学びの場の選択肢のひとつです。手引きにも「あくまで学びの場の選択肢の一つ」という趣旨の記載があり、教育支援センターなどとの連携が大切だとされています。一覧にある学校が自宅から通える範囲にあっても、通うかどうかはお子さんと家族が決めることです。
お子さんの安心と回復が先にあって、そのうえで、学びの場をどう選ぶかを考えます。いまは情報を集めるだけでも十分です。お子さんには、まだ話さなくて構いません。
今日できる小さな一歩
- 文部科学省の設置者一覧(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm)を開き、ページ内検索でお住まいの都道府県名を探してみる。
- 行が見つかったら、「形態」と「学校の管理機関」だけを読む。内容の欄は、あとで読み返せばよい。
- 行が見つからなくても、都道府県教育委員会か市区町村教育委員会のサイトで、不登校の相談窓口のページを開いてみる。
ひとりで抱え込まず、話してみませんか
- 1回30分・無料
- オンライン・電話
- 入力は2分ほど
不登校支援の専門カウンセラーが、お話を伺います。1回30分まで無料です。
※医師・公認心理師などの資格を持つ専門家ではありません。診断・治療などの医療的な助言は行いません。緊急のときは、記事内の「相談窓口」へご連絡ください。
相談窓口
番号・URLは、いずれも公式ページで確認した内容です。受付時間や対応内容は変更されることがあるため、かける前に各公式ページをご確認ください。
- 学校・市区町村の教育委員会、都道府県の教育委員会: 学びの多様化学校や教育支援センターの情報、入学条件は、お住まいの教育委員会に問い合わせてください。電話番号は自治体ごとに異なるため、各自治体の公式サイトで確認します。
- 文部科学省 初等中等教育局児童生徒課生徒指導室: 設置者一覧ページに、お問合せ先として記載されている部署です(電話番号は一覧ページには書かれていません)。
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」: 電話やSNSで相談できる窓口の一覧が、次のページにまとまっています。https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
- 24時間こどもSOSダイヤル(文部科学省): 0120-0-78310(通話無料)。24時間受け付けています。https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
- 児童相談所・自治体の子ども・若者の総合相談窓口: 各自治体の公式サイトで確認できます。
- よりそいホットライン(一般社団法人社会的包摂サポートセンター): 0120-279-338(フリーダイヤル)。電話のほか、チャットやSNSでの相談にも対応しています。受付時間は公式サイト(https://www.since2011.net/yorisoi/)で確認してください。
お子さんが「死にたい」と口にしている、自分や他人を傷つけるおそれがある、命や安全に関わる状況だと感じる場合は、上の窓口を待たずに、まず110番または119番に連絡してください。
まとめ
文部科学省の設置者一覧は、「設置場所」と「学校の管理機関」から探し、「形態」で学校全体が対象なのか一部の学級やコースだけなのかを読み分けます。2026年10月2日に編集部が数えた一覧は84行で、これは校数ではなく行数です。都道府県によって行数に差があり、通える範囲に学校がない場合もあります。気になる学校があれば、対象学年、入学の要件、通学区域、費用、見学の可否を、教育委員会や学校に直接たずねてください。通うかどうかは、お子さんの安心を中心に、家族で決めることです。
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出典
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm)
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387008.htm)
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置に向けて【手引き】令和6年2月改定」(https://www.mext.go.jp/content/20240304-mxt_jidou02-000004552_b.pdf)
- 文部科学省「不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397860.htm)
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm)
いずれも2026年10月2日に確認しました。この記事は公的情報をもとに編集部が作成したもので、専門家の監修は受けていません。



